6月いっぱいで大阪法務局の登記相談員の仕事が終了しました。実は、去年から週に一度、9時から16時まで法務局の登記相談ブースに座っていました。
登記相談では、だいたい一日平均15組くらいの相談を受けます。陽気な方、陰気な方、腰の低い方、高圧的な方、印象の強い方、印象の薄い方、順風満帆な方、苦しい環境にいる方など実にいろいろな方が、いろいろな事情をかかえて相談にこられました。
もちろん、所定の手続きを説明すれば済む場合が多いのですが、なかには答えのない人生相談のようなものもあります。(もちろん登記相談で人生相談に対して回答はしません)
自分の事務所では、さすがに一日15件の相談を受けることはありません。短時間でたくさんの方の、たくさんのお話を聞けたことは、私にとっても意義深い体験でした。
人の話を黙ってじっと聞くというのは思ったよりも大変な作業です。特に自分の専門分野の話になると、ついつい話を遮ってこちらの話をしたくなるものです。
・・・公正証書の作成など、老後の準備をされる方のお手伝いをするとき、聞く力が非常に重要であると実感しています。
自分が本当に何をしたいのか、というのは意外と自分でもわからないものだと思います(もちろん私もそうです)。ご本人も自覚していないような希望を、我々がうまく引き出せるようになれば、話し手がわくわくしながら未来設計を語ってもらえるような聞く力を身につけることができたら、木村司法書士事務所もまた一段パワーアップできるだろうな、と思っています。