京都商工会議所で行われた「老後破産の現実~高齢者の孤立と貧困・取材の現場より~」という講演に行ってきました。NHK大型企画開発センターチーフ・プロデューサーの板垣淑子さんが講師をされていました。
【講演の内容】
ひとり暮らしの高齢者が認知症を患うと「終の住処」をもてないどころか、施設間の「漂流」さえできなくなる。
彼らは、SOSを発信することができなくなり、「助けて」が言えなくなり、危険な状態で孤立したまま放置されてしまう。
本人の意思も確認できず、家族の存在もわからず、行政や周囲が救いたくても救い出せない状況になってしまう。
各人が自分で自分の老後を選択することが、かつてないほどに難しくなってきている。
元気なうちに自分の老後と向き合うことがどれほど大切かをわかってもらいたい。
【以下、感想です】
ご高齢者の孤立、困窮の問題は様々な要因が複雑に絡まり合っています。その中で、認知症とそれを支援する成年後見制度の歯車をかみ合わせることが最重要課題のひとつであることは間違いないと感じました。
印象深かったのは「相続財産を減らさないために相続人が本人に必要な介護サービスの邪魔をする」という事例です。家族がいることすら、リスクになり得るのか、と。
認知症を患う方は現在800万人と言われています。これから先、さらに増えていきます。一方で、司法書士の数は現在約2万1千人、弁護士の数は現在約3万6千人。市民後見人のご活躍も期待されますが、これから先、どうなっていくのか。私なりにできることをしながら、見守っていきたいと思います。