インタビュー

療育教室運営の株式会社を設立した「Office Mitsu株式会社」代表取締役の武井満生さん

投稿日:2022-09-19 更新日:

今回ご紹介するのは、弊所に株式会社設立の登記をご依頼くださった「OFFICE MITSU株式会社」代表取締役の武井満生さんです。

兵庫県で、未就学児に特化した「療育」教室運営を行う会社を立ち上げられた武井さん。

定年を迎えてこの会社を立ち上げるまでは、大学ご卒業後から大手製薬会社のMR(医療従事者に自社医薬品の品質、有効性、安全性などに関する情報の提供、収集、伝達を主な業務として行う)として勤務されていました。会社員時代には、優秀なMRとして表彰を受けたご経験も。

年内の療育教室オープンに向けて奔走されている武井さんが、MR時代に積み上げてきた医療の知識や経験と絡めて「療育」に対する想いを聞かせてくださったインタビューをご紹介します。

ーMRとして働いていた会社員時代のことを教えてください。

私は大学を卒業してから定年まで、大手製薬会社でMRとして勤めていました。

東京、宮崎、福岡、高知、京都、青森、神戸など転勤を経験し、プロモーション手法の経験を積みました。神戸支店在籍時には、当時の支店長から優秀なMRとして「THE TOP」の表彰を受けたことも。

目に見える評価をいただいたことで営業には自信がつきましたし、何より楽しんでMRの仕事をしていました。

常に新しい情報にアンテナを張り積極的にアプローチしていたので、公的プロモーション規制の範囲内での活動や、「地域医療連携」からのアプローチなども得意でした。その中でも私が一番自信を持っていたのが、医師との関係づくり。

同業者の多くは医療従事者がいつも忙しいとの先入観を抱いていましたが、私は遠慮しすぎることなく積極的なアプローチで多忙な医師のベストな時間帯での面談を行い、病院全体の人間関係やプロジェクトについてもリサーチしていました。

更に医療従事者と面談するときは薬の情報だけではなく信頼関係の構築を意識していました。医薬品の特徴をPRする前に、まずは自分をしっかりと売り込み土台作りをすることで自然と信頼関係が深まりました。ネットで探れば「医薬品情報」はすぐに判りますから。

MR時代に築き上げた医師との関係は今でも続いており、「療育」についての相談や、プライベートにもお誘いを受けて情報交換をすることもあります。

ー長年続けてこられたMRから「療育」教室運営会社の設立に至ったきっかけは何ですか?

定年を迎えたことです。

MRの仕事が好きだったので、そのまま同じ会社で再雇用制度を用いて働いていましたが、「嘱託」のため同じ仕事をこなしても評価やお給料は今まで通りとはいかなくて。

そういった理由から再就職先を探していた頃に出会ったのが、発達障がい支援事業のフランチャイズ出店を支援している株式会社エコルド(https://ecold.co.jp/)でした。

エコルドは「二次障がいにさせない社会つくり」「未来の福祉をDesignする」を企業理念に、国立大学や研究機関と連携して、エビデンスのある療育プログラムにを構築しようとしたり、人型ロボットPepperくんなどのテクノロジーを用いた最先端の療育を行っている会社。

また、以前より米国企業創設者の多くやアーティストなどもASD、ADHDであることを公表していたり、身近なお子様も「発達障がい」であったりと関心はありましたので、エコルドのノウハウを使って子どもたちの支援ができるなら挑戦してみたいと会社起業に踏み切りました。

ー設立は不安ではなかったですか?

初めての会社づくりはもちろん不安。

でも同時に、「NPO法人慢性疼痛の会」の企業設立の協力依を頼されていた親交のあった大学病院の医師からサポートを受けたり、エコルドの担当者さんや各士業の方々の全面的な支援など、頼れる先があって心強いです。

木村さんとお会いしたのも、エコルドの本部の方にご紹介いただいたことがきっかけでした。

初対面は、Zoomでのオンライン面談。挨拶の段階で見るからに人柄が良く、話し方も柔らかいのですぐに好印象を持ちました。

さらに、株式会社設立について知識のない私に、資料を用いてプレゼンのように丁寧に説明してくださったんです。

私はわからないことがあるとその都度質問してしまうタイプなのですが、そんな私の素人質問に対しても嫌な顔をせずに一つひとつ解説してくれたので、「絶対にこの人にお願いしたい!」と思うことができました。

手続き中も、次の段取りや進捗状況を細かくメールで連絡してくださって状況が分かりやすかったですし、他の人への共有もスムーズにできました。

木村さんを含めたたくさんの信頼できるパートナーに支えられているので、安心して事業の立ち上げを進めることができています。

ー具体的に役に立ったサポートはありますか?

物件を借りる際、いろいろとアドバイスしていただいたことが非常にありがたかったです。

療育って、やっぱりまだまだ知られていない世界なので、「発達障がい」というワードで勝手に悪いイメージに繋げられて、物件を貸してくれないオーナーさんもいらっしゃいます。

私が最初に手続きを進めていた物件も、内覧の日になって突然「やっぱり貸せない」と突っぱねられてしまったり、療育教室の運営をするとわかった途端、補償金増額などの無理な要求を受けたりもしました。

物件を借りないと教室をオープンできないので、そういった要求にも必死に対応していたのですが、木村さんに相談すると専門外なはずなのにいろいろと調べてくれて、「そんなケースは珍しいかもしれません、普通はこうみたいですよ」と例を挙げながらたくさんアドバイスしてくださって。

おかげで、不動産会社とも安心してやりとりすることができ、希望の物件を借りることができたんです。

設立に関する手続きだけでなく、トラブルのフォローもしていただけたので、木村さんには本当に感謝しています。

ー大変な思いをされて設立に至ったということで、思い入れも強いと思います。今後、どんな教室にしていきたいですか?

実際に療育の現場に入ってみて、自分が思っていたよりも「脳科学」でのアプローチや医療機関との連携の場が少ないと感じました。

勿論、子どもたちの生活の場となる教育機関との連携は大切なので引き続き行っていきますが、子どもたちの発達障がいの診断をするのは医師なので、その医師たちと関係性を維持し、情報提供を受けることも大切。

私には、MR時代に築いてきた医師との繋がりや経験があるので、彼らにもサポートしていただきながら「高度な療育の場」を提供していきたいと思っています。

児童の発達障がいも、脳神経バランスの異常という点では、認知症などとも通じるのですが、高齢者に対する施設がたくさんあっても、児童発達支援事業施設はまだまだ少ないですよね。

米国をはじめとする海外では、発達障がいを持った児童でも適切な環境で過ごせる機会が多く、大人になったときに俳優や映画監督、画家といったさまざまな分野で活躍されている例も多いです。

早期に発達障がいに対する支援をして良い環境を与えてあげられれば、子どもの埋もれた才能を発掘することに繋がるかもしれない。

発達障がいの子どもの才能を活かしきれないという日本の状況を変えていくきっかけの一つに、この教室がなれたらと希望しています。

ーこれから本格的に事業をスタートさせるということで、ワクワクした気持ちなどはありますか?

昔から、定年を迎えて会社を辞めたら、少しゆっくりしながら何をやっていこうか考えたいと思っていました。

だけど、まさかこんなに早く次の目標が見つかるとは思っていなかったので、今後が楽しみな気持ちでいっぱいです。

今は、実際に教室で働いてくれるスタッフの採用を行っているんですが、優秀な児発菅の方からの応募もあったので、面接でお会いしてプロとしての「療育」に対する考え方や経験などをお聞きしたいですね。

能力や想いのある方を雇用し、医師、大学の心理学などの専門知識を持った方々と連携しながら、発達障がいの子どもたちの支えになる教室運営をしていきたいと思っています。

過去の発達支援施設のイメージを払拭し1号店「エコルド夙川Lucy教室」がうまく軌道に乗ったら、ゆくゆくは神戸エリアでも2号店、3号店と増やしていきたいというのが今の目標です。

定年後、新たな夢に向かってどんどん進み続けている武井さん。武井さんのように志の高い方のお手伝いができてとても光栄です。インタビューをお受けいただき、ありがとうございました。

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